<実践>発注のための熱間鍛造ガイド

金属部品製造をお考えの製造メーカー担当者様に
熱間鍛造コンサルタントの德田勝也が、
今すぐ役立つ知識やノウハウを解説いたします。

<第18回>中野鍛造所の一貫生産体制 事例

熱間鍛造から切削加工、
表面処理までの一貫生産により、
20%のトータルコスト削減を実現

電気ターミナル端子の製造にあたり、
一貫生産で加工を行いました

H社様は、商用車のメーカーです。
アルミ製の電気ターミナル部品の製造に際し、樹脂と一体化した「インサート成形」を行うこととなり、弊社にご相談頂きました。

プラスチック樹脂を加熱して溶融した上で、金型内の空洞に注入して冷却固化することにより成形する工法を「射出成形」と呼びます。「インサート成形」とは、この射出成形の際に、あらかじめ金型内に金属部品を配置しておき一体化する工法です。

インサート成形のメリットとして、製品の強度・精度を向上でき、品質のばらつきが少なくなることが挙げられますが、それゆえ一体化される金属部品に対しても高強度・高精度・高品質が求められます。

H社様からは、
「最終的な品質保証を中野鍛造所に任せたい。鍛造から切削、表面処理まで一貫生産により当社に手間なく完成品を納品してほしい」
というご要望を頂きました。

熱間鍛造後、社内にて穴あけを実施。
無電解メッキ(協力工場)まで一貫生産を行いました

そこで、中野鍛造所では、社内一貫生産により、金型設計・製作から熱間鍛造、そして穴あけまでの切削加工を実施。アルミニウムに対する無電解ニッケルめっきは、弊社から専門メーカーへ加工委託を行い、出来上がってきた部品に対して、キズや品質的な問題がないかをチェックしました・

中野鍛造所による品質保証の下、
管理コストを20%削減することができました

結果、弊社による品質保証の下、H社様へ完成品を納入することができました。

一括発注/一括納品により、H社様は製造途中の段階で煩雑な検収処理を行う必要がなくなり、管理コストを約20%削減。大幅な生産効率化を実現しました。