ユーザー様事例 Vol.1株式会社フジキン 様

常に部品の加工精度が高く、不適合品がゼロです。
急な発注にも迅速に対応してもらえる信頼感があります

気体・液体の流量を制御する高度な技術力で、半導体から宇宙開発、水素エネルギーまで、世界の最先端産業を支えておられる株式会社フジキン様。中野鍛造所では50年以上にわたり、フジキン様の主要バルブ製品の製造を受託させて頂いております。今回は、中野鍛造所とのお取引の経緯や、永年お取引頂いている理由等についてお話を伺いました。

株式会社フジキン様の概要

世界No.1シェアの半導体バルブをはじめ、
あらゆる産業の特殊バルブを製造・供給しています

常務取締役 製造本部長
中村 政浩 様

フジキン様の会社概要をお教えください。

フジキンは1930年に創業しまして、1953年に特許を取得した「ニードルバルブ」の開発が飛躍の切掛けとなりました。1976年には、宇宙ロケット用バルブの国産化に初めて成功し、現在では、半導体製造装置に搭載される超精密バルブで世界No.1シェアを獲得しています。また、水素ステーション用の超高圧バルブにおいても、国内シェア7割以上を獲得するなど、現在も新たな産業分野へ先端の特殊バルブを提供しています。

いずれも、今後の成長が期待される分野ですね。

はい。半導体や新エネルギー等、フジキンは常に新しい分野に挑戦し、時代の最先端を行く製品を生み出してきました。水や大気の“ながれ”に影響を与える温暖化の抑制など、環境負荷の低減にも貢献しています。さらに、人々の健康に貢献するライフサイエンス事業や、「キャビア」を産むチョウザメの養殖といった新事業にも取り組んでおり、大きな成果をあげています。

中野鍛造所に製造依頼頂いている製品

当社の主力バルブ製品を、中野鍛造所さんの
中空鍛造技術高精度・低コストで製造頂いています

フジキン製ニードルバルブ「DS-11」

中野鍛造所には、どのような製品製造を委託されていますか?

主に、黄銅製やアルミ製バルブの本体部分になります。熱間鍛造のための金型設計・製作から、仕上げの切削加工まで、一貫生産で委託製造してもらっています。
特に、当社の主力製品の一つ「DS-11」については、1970年頃の発売当初から中野鍛造所さんに製造頂いています。この製品は、業界標準的なニードルバルブで、工場配管や設備・装置の内部等あらゆる箇所で使用されている当社のベストセラーモデルです。累計生産数で言えば、何百万個以上の出荷に上るのではないでしょうか。

ニードルバルブは、針状の弁により流量を微細に調整できる構造ですので、本体にも高い加工精度が求められます。中野鍛造所さんの中空鍛造技術により、高精度であると同時に省材料・省切削化も図っていただき、低コストでの大量生産を実現してもらっています。

お取引が始まった経緯

フジキンの黎明期に、バルブ製造を「鍛造」へ移行する際、
中野鍛造所さんと共同で製造技術を確立してきました

製造本部 大阪工場
執行役員補佐 調達購買部長
松本 敏裕 様

中野鍛造所とのお取引が始まった経緯についてお伺いします。

かつて、バルブは「鋳造」により製造する事が一般的でしたが、1970年頃から、より高強度・高品質なバルブを求めて「鍛造」への移行が始まりました。そこで、複雑形状の黄銅鍛造に対応可能な会社を探す中で、中野鍛造所さんと出逢い、お取引が始まったと聞いております。

そうしたフジキンの黎明期から、中野鍛造所さんとは、バルブ製造のための「鍛造」技術確立を目指して、共同で取り組ませて頂きました。当社発祥の地である現在の「大阪工場 東大阪」と、中野鍛造所さんの本社工場は距離も近く、何かあればすぐ駆け付けて対応頂いていた様です。また中野鍛造所さんからは熱間鍛造技術を学び、フジキンからはバルブ知識や切削加工等の最新技術を中野鍛造所さんへ導入するなど、50年以上にわたってパートナーシップを深めながら発展を共にしてきました。

中野鍛造所を選ばれている理由

常に高精度な製品を納入頂き、不適合もゼロであり、
私共のユーザー様からの評価も高まっているためです

製造本部 大阪工場 柏原
調達購買部 調達購買課 課長付
岡谷 源太郎 様

中野鍛造所に製造委託している理由をお聞かせください。

第一に、常に高精度な製品を納入頂いており、不適合品はゼロであるためです。結果、私共のユーザー様からの評価も高まっています。
第二に、中野鍛造所さんの場合、一社で熱間鍛造はもちろん、鍛造金型の設計や製作から切削加工まで一貫で行ってもらえる事です。弊社としては、複数の協力会社さんの間で段取調整に悩まされることがなく、リードタイムも短縮できますし、中野鍛造所さんが品質管理も一括して頂けるため、管理コストが大幅に削減できます。

さらに、黄銅の材料在庫も、自社で常時確保して頂いていることも、大きなメリットですね。急な発注にも、弊社から図面と発注書を送るだけで直ぐに製造して納品頂けるので、非常に助かっています。

中野鍛造所に製造委託して良かったこと

急な案件にも、社内で一貫生産体制を整えられているので、
特急対応して頂き、納期を厳守することができました

中野鍛造所に製造委託して良かった事を教えてください。

これは、あるメーカー様の水素バルブ開発プロジェクトのお話ですが、諸事情でスケジュールが遅れ、最終納期が残り1カ月を切った時点で、4種類の水素バルブの試作と量産を並行して行わざるを得ない事態になりました。これはもう、金型・鍛造・切削…と工程別に協力会社に発注し、業者間で段取調整をしていたのでは全く間に合いません。
そこで、中野鍛造所さんに相談し、一括で発注することにしました。社内で一貫生産されているので、段取調整もスピーディーに進みました。結果、4種類全て納期を厳守でき、フジキンの信用を守る事が出来たので、ほっと胸を撫で下ろした事がありました。

緊急対応といえば、半導体製造装置用のアルミ製部品で、夜間・休日返上で製造対応頂いた案件もあります。しかも、絶対に漏れが許されない半導体ガス用の特殊バルブでしたので、加工精度の面でも信頼している中野鍛造所さんにすぐお願いしました。
神鍋工場は郊外にあるため夜間稼働も可能ですし、多数の切削マシンを保有されていますから、急な増産にも十分な対応能力があり心強いですね。

中野鍛造所に望むこと

バルブ需要がますます拡大する中で、これまでの部品製造から
完成品バルブのOEM供給へ、事業展開を図ってほしいと思います

今後、中野鍛造所に期待することをお聞かせください。

半導体や水素エネルギー等の需要拡大に伴い、特殊バルブに対する需要は世界的規模でますます高まっていくものと予測されています。

中野鍛造所さんには、これまでのバルブ部品製造からさらに一歩踏み込んで、完成品バルブのOEM供給へ事業展開を図って頂ければと思います。
長年培った熱間鍛造技術を新たな事業領域で発揮して、ますます発展されることを期待しています。

企業情報

株式会社フジキン
  • 【設立】1930年
  • 【本店】大阪府大阪市西区立売堀2-3-2
  • 【総本社】大阪府大阪市北区芝田1-4-8
  • 【新本社】東京都千代田区外神田1-18-13
  • 【URL】https://www.fujikin.co.jp/

株式会社フジキン様は1930年、配管材料及び機械・金属製品の卸販売業として創業。現在では、特殊バルブ機器メーカーとして、また超精密ながれ(流体)制御システムにおけるグローバルなトップランナー企業として成長を遂げています。半導体製造装置に使われるバルブでは国内トップシェアを誇り、宇宙ロケット用バルブでも国内トップ企業として業界をリードしています。さらに、石油化学やバイオ、医薬、新エネルギー等、幅広い分野で最先端ニーズに対応。2030年には創業100周年を迎え、更なる未来へ向け独創的な技術開発に取り組んでいます。

TBSテレビ ドラマ「下町ロケット」のロケーション撮影をサポート

株式会社フジキン様は、TBSテレビ ドラマ「下町ロケット」(原作 池井戸潤・主演 阿部寛)の撮影に協力。研究・製造拠点「万博記念 つくば先端事業所」を、ロケーション撮影に提供しました。国産ロケット開発に取り組む「帝国重工 宇宙航空部」の設定で、「ロケットエンジン開発室」「宇宙航空部の事務所」「工場ホール」の撮影セットが組まれ、帝国重工社長役の杉良太郎さんや部長役の吉川晃司さんをはじめ、300 人を超えるエキストラと共に撮影をサポートさせて頂きました。

撮影用ロケットエンジン・バルブも
フジキン様が製造
ドラマで使用された「帝国重工」のユニフォーム

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