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ステンレス鍛造について

鍛造学ブログ 担当の徳田です。


今年の春は例年より早く桜が開花し、気温が高くあっと言う間に葉桜になってしまいましたが、皆様はこの短い春をどのように楽しまれたでしょうか?

小生は休憩時間に弊社の近くの公園でお花見をしたくらいで、「花見で一杯」とはなりませんでした(笑)。

それよりもこれだけ連日の好天が続くと、近々ゴルフコンペがあるので確率的に当日の空模様が気になります、今日この頃です(笑)。


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さて、今回のブログは、少しでもお役に立つ内容を提供したいと言うことで、真剣な内容にいたしました。ズバリ「身から出た錆が身を守る?」...の巻です(笑)。


まず、この世にはたくさんの種類の加工材料、材質がありますが、鉄をはじめアルミニウム、黄銅、銅、樹脂等々の最終表面仕上げ(トリートメント)を施す方法の一つに「メッキ(鍍金)」があります。

メッキには色んなメリットがありまして、例えば装飾品のネックレスやブレスレットには金メッキや銀メッキ、ロジウムメッキ等を付けることにより、地金の色を隠して美しく見せたり、また耐食性を向上させたり、キズを付きにくくしたり等と、様々な効能があります。

しかし、ご存じのように「メッキは剥げる」という慣用句的言葉があるように、メッキ品の経時劣化の進行は食い止めることが難しいのですよ(苦笑)。


では、メッキしないでも錆びない金属は?と聞かれると、殆どの方は「ステンレス」とお答えになられますが... そうです。一応正解です!

でも厳密にいうと△なんですよね...。

と言いますのも、一般的にステンレス・スチールの主成分は鉄で出来ており、そこにクローム(Cr)という元素を12%以上添加し、錆びにくく改良したものなんですね。

また、ちなみに英語のStainは「汚れや錆」の意でLessは「無い」の意。二つの語彙を合成して錆びない鋼という意味があり、英語表記ではStainless Steelとなります。

実際には、ステンレスに含まれているCr成分と酸素が結合して、不動態被膜という肉眼では見えない薄い酸化被膜をつくっているので錆が進行しない訳なんです。

この被膜はとても薄いですが大変強いので、カネ束子などでゴシゴシ傷つけても周りにある酸素とCrが直ぐに結合し自己再生して被膜を作ってしまうのですね。

つまり、ステンレスは「錆びない」のでは無く、厳密にいうと「身から出た錆(酸化膜)が自分の身を守っている」という事です。ホント凄いですね~(笑)。

 
そんな錆びにくい特性を持つステンレスは、表面処理しなくとも素地のままで使えてしまうので、最近はジワリジワリと水栓金具業界に浸食中なんですよね(汗)。

例えば、黄銅製水栓金具部品の場合、加工後に研磨とクロームメッキを施してあの台所にあるピッカピカのワンハンドルのカラン(水道蛇口)等に変身するのですが、ステンレス材に変更すればメッキ工程が無くなるのでは?とお考えになられるお客様がおられますが、確かに黄銅からステンレスへ材質変更すれば材料費は安くなりメッキ費も発生しないので良いこと尽くめと思うケースが見受けられるのですが、そうは問屋が卸さない理由がありまして...。←古い(汗)

その答えは、時代や技術が進みチタンやインコネルといった難削材が加工できる時代になりましたが、実はステンレス(SUS304、SUS316)材も、やはり難削材の一つで、黄銅材やアルミニウム材に比べて加工コストは、かなり高くなるのですよ(笑)。

例えば黄銅材であれば、ドライ(切削油無し)切削加工が出来ますが、ステンレス材の場合は加工熱で発火する恐れがあるので、回転速度と送り速度を下げて切削油を掛けながら切削する必要がありますし、なにせ大変硬い材料なので刃具の消耗も早いので、その結果工具費も嵩むのですよね。

 
ですから、単純にステンレスの材料費のコストが黄銅より25%安いからと言っても、加工費を含めたトータル価格では逆に高くなるのが一般的なんですよ。

製法や材質によって加工費が変動することを、私たちがお客様に今まで詳細なご説明をあまり伝えてこなかった事は否めませんが、コストを中心に考えた場合、「身ら出た錆」の本来の意味とは真逆の意味を含んでいるのがステンレス鋼の特徴と言えるのは何となく面白いですよね~(笑)

鍛造や切削についてのお困りごとや疑問などございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせ下されば問題解決の一助としてバッチリとサポートさせて頂きますので、引き続き中野鍛造を宜しくお願いいたします。

アニール処理について

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

皆様、大変ご無沙汰しております。


さて、今年の冬は例年に増して、日本の上空で冬将軍が居座り列島各地に大雪の被害をもたらしているようですが、皆様の地域で雪の影響は如何でしょうか?

なにせ、今年の大雪は地球温暖化による異常気象なのか、はたまた、人間の利便性ばかりを追求した現代の都市構造や社会システムが雪害に弱いのか、とても議論の分かれるところではありますが、「備えがあれば憂いなし」...って言葉は、今回本当に身に染みて大切だと思いましたね(汗)。

では、早速本題に入りたいと思いますが、今回は、熱間鍛造処理のクオリティをより高める、「アニール処理」についてお話したいと思います。


例えば、人間は体の芯からカチカチに凍るくらい冷たい氷点下の屋外から、暖房の効いた暖かい屋内に移動したりお風呂に入ったりすると、全身の血液の巡りがよくなり肩や首、関節の筋肉がほぐれてリラックスできますよね。

実は、金属の成型品や樹脂成型品、切削加工部品も人と同じように素材に合った一定の条件で温めると、素材の内部応力が抜けていきストレスフリーに(柔らかく)なるんです。

これを、焼鈍(焼きなまし)処理といいます。又は、「なまくら」ともいいます。

よく世間で言う、「温室育ちで環境の変化について行けない人」のことを「あいつなまくら(鈍ら)やなあ」と言う同じ意味です(笑)。

少し話しが逸れましたが(苦笑)、熱間鍛造加工では焼鈍する事により、後加工での歪の影響を最小限にとどめることができ、より高品位な製品に仕上げることが可能になります。そして、金属は焼き入れや焼鈍する事により、その金属の特性を自ら変化させて、強くなったり柔らかくなったり、靱性やしなやかさを持ち合わせさせたりすることもできます。

また、鉄の熱間鍛造加工を施すことにより、結晶粒が肥大化したものを標準組織に戻す場合は「完全焼きなまし」といいますが、残留応力除去が目的の場合は、それと区別してアニール処理または「ひずみ取り焼きなまし」と呼んでいます。

その残留応力には、「引張残留応力」と「圧縮残留応力」と二つの成分があって、材料の内部から外部(外側)に向かう力が「引張残留応力」で、その逆で材料の内部(内側)へ向かう力が「圧縮残留応力」といいます。



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<引っ張り残留応力の模式図>


特に、黄銅材やアルミニウム材を熱間鍛造した場合には、素材が外側から冷えていくので、内側が先に冷えた外側に引っ張られ、その状態では常に引っ張り残留応力が残るのです。

そういった残留応力の残った材料などで切削加工を行うと、そのバランスが崩れて歪や反りといった問題が発生しやすいので、加工前にアニール処理を行うことにより、常に安定した精度で部品が製作できるようになります。

ちなみにアニール処理は、実は金属だけではなく、反りや割れの防止に身の回りのプラスチック製品にも施されています。


この優れたアニール処理に関心があられる方は、まずはお気軽に、私、徳田までご相談下さい。検討される鍛造加工品に合わせて、最もベストな対応を検討させて頂きます。

アプセット鍛造(熱間)

鍛造学ブログ 担当の徳田です。


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謹賀新年。

明けましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼を申し上げます。
本年も、なお一層のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

新年の堅苦しい挨拶はさておき本年の干支「戌」年ですが、皆様にとって素晴らしい一年であります
ように祈念いたます。

さて、大変久しぶりのブログになってしまいましたが、ご覧頂いている方には本当に申し訳ございません。これからも、「鍛造ブログ」頑張ってまいりますので、何卒宜しくお願い申し上げます!


さて、ここ数年の小生の元旦の行事といえば、初詣もそこそこにして家族のアッシー君として、関空近くにある、アウトレットモールの初売りバーゲン会場へ駆け込むのが定番となっております(笑)。

いつも、開店時間より早めに到着していますが、案の定人気店での福袋などは、開店前にもかかわらず何十人以上もの長蛇の列ができ、どこが最後尾かわからない程の混雑ぶりでした(汗)。

さすがに数万円の福袋は買いません(買えません...涙)が、市価の30~50%OFFの衣料品や雑貨、アクセサリー、シューズなど、とても魅力的な商品がたくさん販売されていました。

小生は基本アッシー君なので、買い物する気など全くなかったのですが、周りにつられて仕事用の革靴を一足、衝動買い?してしまいました(汗)

ですので、毎年お正月明けは、お年玉にお買い物と高額な出費が続き、「金欠病」でアップアップしております(涙)。


私話はさておき、そろそろ真剣に本年初年の「鍛造ブログ」を、スタートさせたいと思います。

さて、本日はアップアップつながりで?(笑)、「アプセット鍛造」方法について少々お話しをしたいと思います。

アプセット鍛造とは、別名「すえ込み鍛造」や「ツバ出し鍛造」とも言われて、おもに丸棒の先端部及び中間部に材料径より大きいツバを張り出させる方法です。

外観的には細長い軸形状でありかつ、その一部分が帽子のツバのように張り出している形状、例えば下図のような形状ですね、


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一般的に、このような形状を旋盤加工で太い丸棒から削り出すのは時間がかかり、加工コストも高く
なりがちなので、ならばこの鍛造方法で一気に成型しちゃえば、材料費も仕上げ加工時間も助かりトータルコストの低減につながりますよね。


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鍛造完成品


また、アプセット鍛造品を成型する機械のことを「アプセッタ」と言い、材料の軸部をグリップする機構と軸方向にプレス成型する機構を併せ持った構造になっており、一般的な上下方向で加圧するプレスとは全くの別物になっています。

加えて、アプセット鍛造は写真のように、パンチで軸方向に加圧するため材料の先端部が潰れ、材料の繊維方向の流れ(鍛流線)を複雑化させることになり、丸棒から旋盤加工で仕上げるのと比べて強靭な製品になります。


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鍛流線


用途としては、トラックや産業用機械の駆動軸や回転力伝達部品、バルブの弁棒など、主に利用されています。

また、一般的にアプセット鍛造は型鍛造と比べて成型形状は制限されますが、金型費は相対的に安くなる場合が多いのも特徴です。

弊社では、型鍛造専門でアプセット鍛造と設備が全く違うので、このような製品は製造できませんが、企業ネットワークによる対応や、ご相談にはお答え可能です(笑)。


その他、熱間鍛造についての疑問やご質等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
私、徳田が「熱間鍛造のプロフェッショナル」として、懇切丁寧にお応えさせて頂きます。

それでは、改めて本年も宜しくご厚情を賜りますようお願い申し上げます。


※挿入写真/株式会社ミヤジマ様 御提供(使用許諾済)

インパクト成型

鍛造学ブログ 担当の徳田です。


9月は、通年台風シーズンの真っ只中になりますが(苦笑)、先日日本列島各地で大変な風水害の爪痕を残した台風18号も過ぎ去り、朝夕はめっきり気温も下がり、大変過ごしやすくなってきましたネ。ようやく秋の気配を感じられる季節になってきました(笑)。

今夏は各地で天候不順で、真夏にもかかわらず雨天が続いたり、酷暑であったりと気候変動が激しかったのですが、これも地球温暖化の影響かもしれませんね...。


我が家でも今年の夏の夜は余りにも寝苦しい日々が続いていたので、毎晩エアコンをつけっ放しで
就寝していたのですが、なんと電気代の請求金額を見たとたん目の玉が飛び出ました...(汗)。

やっぱり仕事と同様に、無駄なコストはセーブせねばとセコく考える今日この頃です(苦笑)。

皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?


さて、このところのお客様のご相談内容を整理してみますと、冷間鍛造方法で製作した方がメリットの
あるような形状の部品が多くなってきております。

基本的に冷間鍛造は熱間鍛造と比較して、プレスで成型したときの材料展伸性が良くないので、
金型を複数個以上使って、材料を少しずつ回数を分けてプレス成型していきます。


但し、どんな世界にも例外があるように、冷間鍛造の種類の中にはインパクト成型といって、材料スラグを金型の中に装填し、ワンパンチ(1回プレス)で長いパイプ形状に成型できる方法があります。

例えば、大きめのボタン形状のアルミ材(スラグ)を金型に入れて、パンチ(ボス)で垂直に加圧するとアルミの材料が、こんな感じでスルスルとパンチの外周に沿うようにせりあがって成型されます。


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<インパクト成型のイメージ図>


イメージ図では4工程に分かれているように見えますが、この一連の流れは実際には1工程(1パン
チ)で成型されます。だから量産性は非常に高く効率のいい製造方法の一つでもあるんですね。

しかし、逆にいうと小ロットでは製造コストを下げにくいと言える訳でもあるんです(汗)。


一例をあげますと、材料がアルミニウム場合、身の回り品でいえば、油性サインペンや口紅用ケース、ヘアスプレー缶等の筐体がこういった「インパクト成型」法で作られていることが多いようです。

このインパクト成型はアルミニウム材のとの相性が非常良く、特に肉厚を薄く、直径に対して全長が
に長いパイプ形状に最適ですなんですね。


弊社でも一時、このようなインパクト成型でVTR用アルミヘッドの製品を量産しており、冷間鍛造にも対応させて頂いております。
このように中野鍛造では、部品の形状に応じて、熱間鍛造/冷間鍛造それぞれのコストメリットを検討した上で、柔軟に対応させて頂いております。

もし、熱間鍛造で部品製造を行なうのか、冷間鍛造で行なうのか迷われている場合は、ぜひ中野鍛造まで、お気軽にご相談ください!最適なアドバイスをさせて頂きます(笑)。


「モノづくり魂は常に熱く、仕事はクールに」をモットーに、社会に役立てるように頑張っておりますの、これからも中野鍛造をご愛顧のほど宜しくお願い致します

暑さ対策について

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

大変ご無沙汰しておりました。久しぶりの更新です。

ありがちな業務多忙を理由に、しばらくブログ更新をサボってしまっておりました(苦笑)。

これから、改めて気合を入れ直して頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします!


さて、夏も終わりに差し掛かっておりますが、振り返りますと今年の梅雨は、各地でゲリラ豪雨を降らせたり、九州地方ではたくさんの人命が奪われるなど、私自身といたしましては、特に自然界の猛威をひしひしと感じる夏でした。

ちなみに、7月9日の瞬間ゲリラ豪雨があった時などは、落雷による停電や自宅近くの道路はマンホールから下水が逆流するなどして、周辺道路なんかも一時的に冠水して交通障害が発生していましたネ・・・。

本当に、昨今の世界的な異常気象には、とても懸念を感じずにはいられませんネ。
 
 
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さて、あと少しで暑い夏が終わりますが、実は鍛造工場にとって夏は1年で一番つらい季節なんですよ(汗)。

と言いますのも、ご承知のように弊社は熱間鍛造が主力業務ですので、工場内の加熱炉からでる排気熱や鍛造後の製品が工場内の気温をもの凄く上昇させます。

例えば、ダクトで熱風を屋外排気しても、加熱炉本体からの発熱は防げないので、なんと工場内では40℃近くに温度が上がり、炉の周辺になりますと50℃以上にもなります。
 
 
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もちろん、その暑さゆえに鍛造スタッフは多量の汗をかきますが、実は工場内は火を焚いているので、
意外に湿度が低く、梅雨の時期の蒸し暑さと違って、結構「カラッ」としているのがまだ救いですが・・・(笑)。

それでも夏場は暑いことには変わりなく、弊社では33年前に、夏場は大変涼しい「関西の軽井沢?」(笑)と言われる、兵庫県北部にある神鍋高原の近くに鍛造工場を移しまして、夏場の職場環境を少しでも改善できるように対応してきました。

また、工場設備の暑さ対策としては、誘導加熱炉の導入を推進して、発生熱源をコンパクトにしたり、鍛造プレスの自動化を図るなど、夏場の業務負担を少しでも軽減できるように努めております。

中野鍛造では、「高品質・高精度な製品は、環境の整った工場から」をモットーに、これからも皆様の期待に応えるべく、益々精進いたしますので、引き続きご贔屓を賜りますようお願いいたします(笑)!


【追伸】
今回は久しぶりのブログと言うことで、弊社の「暑さ対策」について書かせて頂きました。

また、次回からサボらずに(苦笑)、本業の「鍛造」について、皆様のお役に立てるよう、しっかりと掘り下げて記載させて頂きますネ(笑)。

熱間鍛造と冷間鍛造

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

まだまだ朝晩の冷え込みが厳しい中、ようやく日中の日差しは春を感じさせてくれるようになり、間違いなく、春に向けて季節が一歩一歩進んでいくのがわかるようになってきましたネ。

また、この時期は卒業式が真っ盛りの季節でもありますが、私も娘の卒業式で家内と一緒に出席してまいりました。

皆様におかれてはいかがお過ごしでしょうか?

あとひと月もすれば、ポカポカ暖かい桜の季節ですね~。ホント待ち遠しいです(笑)。



さて、今回は熱間鍛造と冷間鍛造の違いとその特性についてのお話...

最近のお客様からのお問い合わせのなかで、「熱間鍛造で冷間鍛造レベルの公差で製造できませんか?」とのご相談が多くなってきております。

また「熱間鍛造品の一部分を切削レスで使いたい」と要望されるお客様も増殖中?(笑)

そんなわけで大雑把ではありますが、以下に説明させて頂きます。

まず熱間鍛造とは、書いて字のごとく金属の素材(一般的に丸棒)を所定の長さに切断後、加熱して鍛造しますので、成型後常温になれば製品は必ず収縮します。

ですから、金型はその収縮率(延尺)を考慮して少し大きめの寸法で製作しますが、厳密に言えば夏場や冬場の外気温度差で製品寸法は多少のバラつきが発生します。

また大きさにも依存しますが、鍛造時(非鉄金属材の場合は基本的に一回成型)には、150t~500tの大きなプレス圧力が加わり、焼き入れした金型といえどもその瞬間には「弾性変形」しており、製品の歪や反りの発生につながります。

なので、高精度な鍛造部品が必要な場合は、あと工程で切削加工を追加して仕上げる方法を採用する場合が一般的です。

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加熱された金属素材(左)と熱間鍛造直後の鍛造製品(右)。鍛造直後も高温のため、常温になれば製品は収縮します。


一方で、熱間鍛造とは違う冷間鍛造方法は、材料を常温のまま成型しますので「金型寸法」と「製品寸法」はほぼ同じになり、仕上り精度や公差レンジといった点では熱間鍛造より優れ、場合によっては切削加工無しといった設計も可能です。

但し、一般的な冷間鍛造の場合は、材料を加熱していない為に素材の変形抵抗が大きく、また1プレス当たりの素材変形量も少なく、複雑な形状の製品を成型する場合は、一度に金型が複数個以上必要になり、ロット数量が少ないと採算性が悪くなる傾向にあります。

その点、熱間鍛造の場合はロット数が数千個以上であれば経済ロット数になり、製品の対応できる形状としても熱間鍛造は金型設計自由度が高く、金型が上下分割できれば基本的に成型が可能です。

主に熱間鍛造方法というのは、「一次素材から二次素材へ変える製造技術」という事であり、熱間鍛造品単体では部品ではなく基本的に「二次素材」だと概念をお持ち頂くと大変ありがたく思います。

とは言え、形状にも依存しますが、熱間鍛造品で弊社独自の<バリ無し鍛造技術>を使えば、冷間鍛造では難しい形状と冷間鍛造品並みの精度を出すことが可能です(笑)。

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バリ無し鍛造技術による当社熱間鍛造品


但し、マテリアルは黄銅材に限りますが・・・(汗)

その為には、お客様の図面を基に弊社との二人三脚による互恵関係を構築し、鍛造性向上と高品質化できるような提案をご快諾頂くことで、末永くコストパフォーマンスの良い製品を供給させて頂けると思います。

ぜひ、熱間鍛造で冷間鍛造並みの製品精度を出すことができればとお考えの方は、<非鉄熱間鍛造品のエキスパート 中野鍛造>へ是非、お問い合わせご相談をお待ちしております(笑)!


高精度な熱間鍛造品については、こちらのページでも解説しています。

新設備導入の巻

鍛造学ブログ 担当の徳田です。


今年も早いもので、すでに二月の立春は過ぎましたが、皆様におかれては、雪害の影響などが出ておられないでしょうか?

今年はドカ雪の当たり年のためか、北日本や日本海側では降雪による被害のニュースが後を絶ちませんね・・・。

また、この時期は私学の「お受験」シーズンでもありまして、我が家にも高校受験を控えているのにもかかわらず呑気に構えている愚息がいるのですが(苦笑)、その姿を見ていると親の方が何かと気をもんで心配してしまいます。

「転ばぬ先の杖」と思って私がたしなめても馬耳東風...その結果はどうなることやら(汗)

さて、今回は新しい設備の入れ替えをしたお話です。

以前、第6回のブログでお伝えした通り、ようやくイタリアから新しい加熱炉が弊社神鍋工場に到着いたしました。

本来なら1月の末頃には試運転が出来ている予定でしたが、船便が1週間ほど遅れ2月に入ってから弊社に到着。

実は、当初の搬入予定日であった1月/第4週目の終わり頃は、兵庫県北部は大雪に見舞われており、周辺では降り続く雪のために除雪車の作業が間に合わず、主要国道で、軒並み車が立ち往生するくらいの状況でした。


つまり、そのような状況のため船便が1週間遅れた結果、搬入時は大雪の日に当たらずスムーズに進み、「災い転じて福になる」感が満載でした!(笑)


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(1週間前の残雪の前で搬入準備)

しかしこの重量屋さん、とても上手な業者さんで、見事にこの狭い通路を難なくかわして(驚)、なんと半日で据え付け完了!


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(狭い通路をフォークリフトで牽引...)

そして、その日のうちに電気と配管接続工事を済ませ、あとはイタリアからの技術指導者を待つだけでとなりました。

鍛造プレス設備と違って、本加熱炉の設置においては、基礎打ちやピットを掘る必要がなく、フロアに直置きにしてアンカーボルトで固定するのみなので、比較的短時間で終わりました。

その後、間もなくイタリア人の技術者が、加熱炉のガス流量調整と操作指導に来られましたが、何の不具合もなく順調に進み、たったの2日間で終了!(早やっ)


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そこから、鍛造プレス機との連携は弊社側の作業になり、加熱炉から出てきた材料を自動でプレス機までアームで運ぶ微調整を行いました。

この鍛造プレス機は「クランクプレス」と言いまして、弊社の中でも小型で鍛造スピードが速い、フライ級の鍛造機です!(笑)

実は当社には、以前にも同じタイプの加熱炉が付随していましたが、経年劣化と材料サイズの依存性が高かったために、自動鍛造が出来るのにもかかわらず、稼働状況は余り良くありませんでした(苦笑)。

今回の加熱炉は、そんな弱点を克服して、安定した温度管理と幅広いサイズの材料が加熱できるので、生産性の向上だけではなく、さらに安定した高品質な鍛造品をお客様へ届けられることと思いますので、今後の中野鍛造所に、どうぞご期待くださいませ。

ちなみに、この搬入日の立ち会い中、あまりの寒さにギックリ腰になったのはここだけの秘密ですww

謹賀新年 エシカル消費

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鍛造学ブログ 担当の徳田です。


謹賀新年
謹んで初春のお慶びを申し上げます。


旧年中は格別のご愛顧を賜り有難うございました。
本年も変わらぬお引き立てのほどお願い申し上げます。


なんてお堅い枕詞はさておき、今年も始まって早や一週間が経過いたしましたが、
みなさんはお正月の休みボケは取れたでしょうか?(笑)

私は、年末年始のあわせて1週間のお休みを頂きましたが、
毎年恒例の「食べる、飲む、寝る」のリーピート生活で、
なんとあっという間に2kgほど贅肉を蓄えてしまい、
生活習慣病に?まっしぐらな感じで早く運動を始めなければ...と
かなり焦っております(汗)。

今年は「酉」年で商売的には
「仕事やお客様をたくさん取り(酉)込む」ことが出来る年と言われ、
一般的に縁起の良い干支とも言われております。

ぜひ本年は、鳥が大空を舞うように、
上昇気流に乗ってビジネス飛躍の年にしたいものですね!


さて、突然話しは変わりますが皆さんは「エシカル(ethical)消費」という言葉をご存じでしょうか?

昨年末に読んだ雑誌にその記述がありまして、どう言うことかといいますと...

多少価格が高くても、生産者の事を思いつつ自分も納得できる形の消費が出来ないか?
こうした問題意識の視点に立った「エシカル消費」という言葉が、
いま世界的に広がりつつあるそうです。

英語で「エシカル」とは主に「倫理的な、道徳的な」という意味があり、形容詞でもあります。

つまり、「みなさん、倫理的な消費を考えてみませんか」ってことです。

たとえば、途上国の劣悪な環境での長時間労働や、
若年者の労働力に依存して製造された製品は、
安くて消費者の視点からは喜ばしいことかもしれませんが、
果たして本当にそれで良いのでしょうか?

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たとえば、何年か前にもアジアのある国のEMS(電子機器の受託生産)会社の労働者が、
相次いで自殺を図ったニュースがありましたが、
そのような低賃金で過酷な労働環境により、低価格で製造された製品を
ただ、低価格であるだけで購入する事は、消費者として心が痛みませんか?

そういった事を考える消費が「エシカル消費」と呼ぶらしいです。

そこで、早速私は先日アウトレットモールで販売されていた
一枚1,000円の少し値段が張る「日本製ハンドタオル」を買いましたよ(笑)。

昔から、大阪の南部の泉州地方は繊維業が盛んで「泉州タオル」はブランドでしたが、
最近は海外からの安い輸入品のタオルや、靴下に押されて業界が低迷しているので、
僅かですがエシカル的?協力をさせて頂きました(笑)。

もちろん100%国産なので、肌触りや吸水性は素晴らしく、使用感は抜群でした!

たとえば、一年の計は元旦にありといいますが、
小生は今年から「エシカル」という言葉を念頭に置きつつ、
仕事面や日常生活面の消費に、ぜひ生かしたいと思っています。

そんなこんなで、本年も小生の与太話にお付き合いの程、
宜しくお願いいたします!

P.S ぜひ、鍛造品もエシカルな観点からのご検討、ご購入をお待ち申し上げておりますね...(笑)

イタリア訪問

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

今年も残すところ半月あまり、アッという間に一年が経ってしまい「光陰矢のごとし」の言葉の通り
去りゆく時の速さを痛感させられていますが、皆様においてはいかがお過ごしでしょうか?

次期アメリカ大統領がドナルド・トランプ氏と決定した以降、円/ドルの為替レートは急激な円安に進み、また日米の株式市場も上昇しておりますが、あれもこれも強いアメリカへの復活を期待している国民の思惑でしょうか?うーん・・・

私自身は、資源輸入大国の我が日本としては、余りに急激な円安は物価上昇圧力につながり、国内購買力の足を引っ張ると思われ、結果、内需拡大の期待は先細りすると予想します。

なぜなら、個人的にはこの様な上昇基調はいつまでも続くとも思いませんし、この円安/株高の上げ潮状況は、年明けになると潮目が変わるのではないかと個人的に考えていますが、皆さんはどうお考えでしょうか?(笑)

さて、そんな環境の下、私は、11月の22日から6日間でイタリア北部地方のトリノ、ブレッシア、ミラノ訪問の三都物語をして来ました。(笑)

私自身イタリアの訪問はほぼ20年ぶりで、当時はミラノを半日だけ駆け足で観光しただけなので余り印象に残っていませんでしたが、今回は現地4泊6日でゆっくりとイタリアの都市ともふれあい、大変楽しめました。

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(ミラノセントラル駅にて)

もちろん渡航目的はバカンスでは無く、弊社鍛造設備の更新により、半年前にイタリアのメーカーに発注していた加熱炉が完成したので、その立ち会い試運転に伺いました(笑)。

折角現地に参りましたので、メーカーからのご厚意もあり、他にイタリア鍛造プレス機メーカーの見学と、そのプレス機のユーザーの鍛造工場の見学もさせて頂き、非常に勉強になりました。

実は、近年イタリアの鍛造工場は、日本人の工場見学は殆ど「お断り」しているとの事。

なぜなら、日本人はすぐに設備を真似て、安モノを作りイタリアの商売の邪魔をするからしいです(汗)。


ところで、イタリアのカルチャーはルネッサンス、ロマネスクやゴシック建築様式の教会が有名ですが、実は、業界内では知られている、世界の熱間黄銅鍛造品のメッカであり、鍛造プレス機のみならず加熱炉、自動化対応のハンドリングなどの技術では世界一の先進国であります。

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(ミラノ大聖堂)

今回のこの加熱炉(ガス加熱炉)の特徴はコンパクトな外観にも関わらず材料を加熱するレーンが3レーンあり、時間当たりの鍛造生産性を飛躍的にアップさせることが可能になります。

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またこの炉はコンベアー方式で材料を送って加熱するので、従来の機械後方から材料をロッド棒で押すプッシャー方式より材料の表面に擦り傷が付きにくいため、非常に外観の美しい鍛造品になります。

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この加熱炉、弊社には一月末頃に納入される予定ですが、自動鍛造プレス機とドッキングして量産品から小ロット小物品の鍛造品の生産に寄与し、品質の安定化と納期短縮化に貢献できると考えております。

このブログを見て、本機の性能や内容にご興味を頂きましたら、私、徳田までお気軽にご連絡ください。この美しい加熱炉の素晴らしい(?)ウンチク話を喜んでさせて頂きます(笑)。



【追伸】
期間中の食事はパスタや生ハムなどすべての料理は美味しかったですが、ピザは大きすぎて完食はできなかったです(汗)。
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(ビッグサイズ!イタリアンピザ)

販売価格の値決めについて

鍛造学ブログ 担当の徳田です。

最近、やっと寒くなってきたと思えば、ポカポカ陽気になったり、でも夜は寒かったりして、何か変な気候が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか(笑)。

さて本日は、販売価格はどのように値決めされているかについてお話したいと思います。


まず政治のお話になりますが、世界が大注目していたアメリカの大統領選挙は超以外?ドナルド・トランプ氏の勝利に終わりました。

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皆さんはどちらが勝利すると予想されていたでしょうか?

わたくし個人的には、近年の往き過ぎたアメリカ流「グローバルイズム」が、アメリカ人の一部である知識階級の人々だけを潤し、アメリカ全体の「経済格差」を増長させた結果、中間層以下の国民を不満にさせ、その結果が「Make great America again」のスローガンにみられるように、彼ら中間層以下の国民の回顧主義が強まり、アメリカの復活を期待してトランプ氏を当選させたのではないかと分析しております。

そんなアメリカの状況で、国際非鉄金属マーケットでの銅の相場はトランプショックと言われるくらいに暴騰し、銅相場のみならず株式市場や為替市場も乱高下で冷や汗もの...(汗笑)


例えば、銅の価格は非鉄金属のLME国際相場と外国為替市場のドル対円の相場価格で決まります。

LMEマーケット市況の銅価が上昇していても円高に為替が振れれば相殺する場合もありますが、今回のトランプショックではLME価格が上昇し、為替が円安に振れてダブルパンチとなっています。


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特に足元(直近)の急激な材料相場変動は、製品販売価格への反映が非常に難しい訳でして...(苦笑)。

一例で言いますと、毎月の一定のアイテムで定量的にご注文頂いているお客様については、二か月前の相場価格をスライドして当月の材料価格に適応できるので問題はありませんが、スポットのお客様に関しては足元相場価格が急変した場合、特に相場が急な下落をしたときは納期の関係上足元価格では見積りできません。

つまり足元価格下がったからと言ってすぐに売価には反映できないんですよね・・・。

なぜなら材料メーカーとは二ヶ月前の価格で発注しており、その約一か月後に材料が弊社に入荷しますから(納期遅延する場合もありますので)、材料入荷納期の余裕を含んで当月使用している材料価格はあくまでも二ヶ月前の価格がベースになるのです。

但し、納期二ヶ月を頂けるなら材料足元価格で製品価格提示をさせていただくことも可能にはなるのですが、もちろんそのような余裕のある納期でご発注頂けるお客様は皆無です(汗)。

何れにせよ、初めてお取引き頂く際もしくはご注文を頂く際は、二ヶ月前の材料価格がベースになることをご理解頂ければ大変有難く思います。

アメリカ大統領はやっぱりヒラリー氏の方が良かったのでしょうか?その答えは4年後には出ている事でしょう(笑)。


販売価格については、余裕のある納期(二ヶ月程度)でご発注頂けるのであれば、材料足元価格で製品価格検討することが検討できますので、円安に振れているこの時期はぜひ、前倒しでご発注をご検討してくださいませ(笑)。