- 型ズレ0.05㎜・中空芯ブレ精度0.1㎜を達成
業界最高レベルの高精度を誇る
中野鍛造所の鍛造加工技術を解説
高精度鍛造技術紹介Interview
型ズレ精度0.05mm・中空芯ブレ精度0.1mmという業界最高レベルの精密加工を実現。100万個オーダーの大量生産品においても不良率を限りなくゼロに近づけ、しかも「最短7営業日」のスピード生産を可能にする中野鍛造所の高精度鍛造加工技術に迫りました。
独自の一貫生産システムのもと、
製品1個目も100万個目も同一であるよう
精度・品質を徹底的に追求しています。

徳田 勝也
中野鍛造所の一貫生産システムによって、お客様はどんなメリットが得られますか?
第一に、金型の設計・製作から、それを用いての鍛造・切削までの全てが社内で完結するため、「タイムロスがなく、スピーディー」に製品が納品されることです。中野鍛造所では、受注と同時に全工程に関わる情報を社内で共有し、待ち時間のない生産スケジュールを決定しています。
第二に、新製品の試作段階等で発生するトライ&エラーにも、弊社による一括対応をさせていただけることです。分離発注の場合、製品に発生した不具合の責任所在が明確でないケースもあり得ますが、中野鍛造所への一括発注なら、弊社が最終製品の品質に責任をもってお客様に納品いたしますので、安心してお任せいただいています。
第三に、「トータルコストの削減」です。従来の分離発注では必然的に打合せの回数が増え、お客様の納期管理が複雑になりますし、検品の手間や鍛造品を運搬するコストも嵩んでしまいます。しかし、弊社への一括発注に切り換えていただくことで、こうしたロスや管理ミスも無くすことができます。
そうした「一貫生産システム」を取られている会社は他にもあると思いますが、中野鍛造所との違いは何でしょうか?
一言で言えば、「品質に対するこだわり」だと思います。弊社では、例えば100万個の部品を製造する場合、初回ロットの1個目も、最終ロットの100万個目も、全く同一のものを生産できるよう徹底的に品質・精度を追求しています。打ち上がった製品の寸法を細かくチェックしながら、どのタイミングで金型を休め、どのようにマシンを調整するかを決める。そこに弊社独自の鍛造技術とノウハウがあります。お陰様で、10年以上の長期にわたって同一部品の製造をご注文いただいている大手企業様から、「中野鍛造所の製品はノートラブル」「安心して任せられる」というお声を数多くいただいています。
金型・鍛造に精通した熟練技術者がダイレクトに連携し、
「最短7営業日」のスピード生産を実現しています。

中野鍛造所が、「最短7営業日」のスピード生産を実現できる理由を教えてください。
まず、中野鍛造所の場合、「金型設計・製作部門」と「鍛造部門」がダイレクトに連携していることです。弊社では技術者全員が全工程に精通しているため、鍛造時に発生する課題を先回りして金型設計に反映でき、手戻りも大幅に削減できます。また、営業担当者も鍛造技術を熟知していますので、お客様の設計図面を見て内容を把握しながら、最短の場合、新規受注から即日で金型設計に入れます。
そして、切断・加熱・バリ取りを自動化したスペイン・ネオテックマン社製の最先端鍛造プレス機や、世界最高峰のヤスダ製ジグボーラーを2台導入しているのも大きな理由です。上下一対の鍛造金型を2台同時に直彫りすることにより、約2倍の圧倒的スピードでの超高精度金型製作と「最短7営業日※」納品を可能にしています。(※案件内容によっては、変動する場合がございます。ご了承ください)
高精度マシンと、鍛造技術者の高度なメンテナンス技術により、
不良率を限りなくゼロに近づけることに成功しています。
ところで、型ズレ精度0.05mm・中空芯ブレ精度0.1mmという業界最高レベルの鍛造加工精度は、どのように産まれたのですか。
金属加工の世界では、マシンスペックを上回る加工精度を出すことは、原理上不可能です。弊社では「高品位な鍛造品は、高精度なマシンから」をモットーに、国内外の超一流メーカーによる最新設備を多数配備しており、例えば、日本輸入第1号機として業界に先駆けて導入したスイス・オスワールダー社製スクリュープレス機をはじめ、イタリア、スペインの高性能プレス機も配備しています。これらを熟練の鍛造技術者が操作し、国家資格取得者がメンテナンスを随時実施して、その性能を最大限に引き出しています。
「不良率ゼロ化」というのは、かなり厳しい目標設定ですね。
ええ。鍛造の場合、マシンを動かし始めた朝一番と昼・夕方では、金型の温度もマシンの調子も異なるため寸法にも微妙な違いが生じてきます。そこで弊社では、1日2~3回という通常よりも高い頻度で金型メンテナンスを行い、金型表面の肌荒れや摩耗を防ぎながら、加工精度の向上と金型の長寿命化を図り、不良率を限りなくゼロに近づけることに成功しています。
世界最高峰のヤスダ社製高精度ジグボーラーを駆使、
2面拘束ホルダにより高精密金型を仕上げています。

高精度な金型製作のために、どのような施策を行っていますか。
弊社では、複雑形状の設計やモデリングにも対応する高性能CAD/CAMシステムと、ヤスダ社製高精度ジグボーラーを導入しています。このマシンは、海外トップクラスの高級車メーカーに採用されているほどの高性能機で、X方向の軸移動600mmに対し、誤差はわずか0.004mm以内しかありません。通常、鍛造金型製作に用いられる工作機械の約10倍のハイスペックを誇るこのマシンを駆使し、高精密金型を直彫りしています。
さらに、従来の1面拘束ホルダでは、連続運転の際、マシン主軸の遠心力や熱膨張によるZ軸変位が避けられませんでしたが、弊社では「2面拘束ホルダ」を採用することにより芯ブレを極限まで抑え、ATC(自動工具交換装置)の繰り返し精度を向上させることで、一層の高精度加工が可能になりました。また、ドリル・リーマ・エンドミル等についても、再研磨せず新品に交換することで、型ズレ精度0.05mm・中空芯ブレ精度0.1mmという高精度を実現しています。
生産管理における留意点を教えてください。
プレス工程においては、材料の質量管理を徹底、材料・金型の温度を一定に保つとともに摩擦抵抗を調整。完成品に対しては、各種マイクロメーターや3次元測定器、ゲージ等による厳格なチェックのほか、さらに正確を期するため、弊社では事前にお客様との間でもゲージ校正を行い、測定データの相関を得ています。
軽量化・省材料化・省切削化のご提案はもちろん
お客様の新製品開発にも積極的に貢献してまいります。

最後に、今後の抱負を聞かせてください。
中野鍛造所では、鍛造による部品の軽量化・省材料化・省切削化のご提案はもちろんのこと、お客様の新製品開発にも積極的に貢献したいと考えています。常にお客様のメリットを最優先に考え、これまでの経験をもとに鍛造にこだわらず、鋳造、削出し等あらゆる選択肢の中から最もベストな加工法等をアドバイスさせていただきます。
今後も「中野鍛造所に任せておけば間違いない」とお客様からご評価いただけるよう、より高品質な鍛造品生産に向け真摯に取り組んでまいります。