【事例】鍛造により複数部品を一体化し、製造コスト削減を実現した実例

製造事例

今回は、従来、複数部品を組立てて完成させていた製品を、熱間鍛造によるワンショット成形へ転換。工程削減とコスト削減に成功された事例をご紹介します。

■ お客様は製造コスト削減を目指し、鍛造による一体化を検討しておられました

今回ご紹介する製品事例は、電線を留める金具です。貫通穴の部分に電線を差込み、ステー部を他の製品にネジで固定するための金具で、従来は下記のような複数の製造工程を経て完成させていました。

こちらの製品は、電線を支える「部品A」と、台にねじ止めするための「部品B」の2部品から成ります。

まず、部品Aは、黄銅の丸棒から切削・穴あけ加工を実施。部品Bは、黄銅の板材から打抜及び曲げ加工を行い、最後に両者を組み合わせて、接合部をカシメることにより固定させ、部品を完成させていました。

しかし、この工法では、丸棒の切削・穴あけから、板材の打抜き・曲げ、そしてカシメによる組立まで、多数の工程を経ることになり、多大なコストがかかっていました。

そこでお客様は、

鍛造によるワンショット成形に転換することで、コストダウンを図りたい。

と考えられ、弊社へご相談いただきました。

■ 鍛造によりワンショット成形を実現しました

ではまず、結果からご覧頂きましょう。

こちらが、鍛造による一体化成形を行った製品の写真です。元の製品とほぼ同じ形状で、ワンショットによる鍛造化に成功しました。

この写真で言えば、上下方向から金型で圧力をかけて鍛造を行うことで、ステー部の細く曲がった先端まで欠肉のない高精度な成形を実現しています。

別の角度から見ると、このような形状になります。

鍛造後、電線を通す貫通穴を開ければ、基本的な形状は完成となります。本製品においては、ステーを他の製品に固定する接触面のみ、密着性を高めるための仕上切削を行いましたが、その他の部分は鍛造によって十分滑らかな面粗度に仕上がっています。

■ 部品削減と、飛躍的な工程削減が達成できました

今回の鍛造化により、部品点数が2点から1点へ集約化され、部品を管理する手間が不要となりました。

また、先ほど述べた切削・穴あけ・打抜・曲げ・カシメの工程を鍛造一発に置き換えることで、飛躍的な工程削減を実現しています。鍛造後、切削・穴あけ加工を行うだけで製品が完成するため、飛躍的な工程削減効果が得られました。

■高精度化により、検査工程も簡略化

さらに、従来のカシメによる組立では、仕上精度に生じるムラが避けられませんでしたが、鍛造化により均一な精度の製品の量産が可能となったのも、大きなメリットです。

製品性能の向上はもちろん、検査工程も簡略化することができ、管理コストの大幅な削減につながりました。あらゆる面において、お客様にお喜びいただいた事例となります。

■ 鍛造エキスパート・徳田からのアドバイス

このように鍛造一体化により大きなメリットを享受するためには、図面作成前の素案の段階から鍛造加工会社にご相談頂くことが必須となります。

お客様には強度計算や耐久性等の検討等を行っていただき、それに合わせて、鍛造加工会社は鍛造に最適な形状のご提案や、工法の開発を行う――二人三脚の体制を築くことが、鍛造一体化成功への最も重要なポイントと言えます。

現在、複数部品の組立による製品製造を行っておられる方は、新たな視点として鍛造によるコストダウン方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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